「正しい洗い方ってあるの?」
「皮をむいたほうがいいって聞いたけど本当?」
男の子を育てていると、こんな疑問を抱くママも多いのではないでしょうか。
パパに聞いても「放っておけばいいよ」と言われたり、ネットの情報もバラバラで不安になりますよね。
この記事では、おちんちんの基本的な構造や洗い方、「むく?むかない?」の疑問まで、わかりやすく解説します。
おちんちんの基本知識
ここでは、意外と知らないおちんちんのことについてお伝えします。
下の画像は男性器の大まかな構造と名称です。

「むく?むかない?」について解説する前に、まずは「包茎」について知ることで、より理解が深まります。
包茎って何?
「包茎」とはどんな状態のことを指すのでしょうか。
包茎とは陰茎先端(いんけいせんたん)の亀頭部(きとうぶ)が包皮(ほうひ)で被われて亀頭が露出していない状態をいいます。
引用:日本小児泌尿器科学会
包茎は包皮と亀頭の状態によって大きく2つに分けられます。
勃起時にも亀頭が完全に包皮口から露出せず、露出させるために包皮を手でむく必要がある状態の包茎を指します。
医学的な“病気”とは考えられておらず、目立った症状はありません。しかし、包皮内が蒸れて不潔な状態になりやすく、悪臭やかゆみなどの症状が現れることがあります。
引用:Medical Note
包皮口が極端に狭く、手で包皮をむいても亀頭を露出することができない状態の包茎を指します。
包皮内が不潔な状態になりやすいため、悪臭やかゆみなどの症状を引き起こし、亀頭包皮炎や尿路感染症の原因になることもあります。
また、勃起時には亀頭が包皮口を圧迫するため強い痛みが生じることもあり、性交渉が持てないケースも少なくありません。
引用:Medical Note
【日本人成人男性の包茎の割合】
・包茎ではない人:約20%
・仮性包茎の人 :約60〜80%
・真性包茎の人 :約5%未満
包茎ではない成人男性よりも、仮性包茎の成人男性の方が圧倒的に多いのです。
仮性包茎の場合、治療の必要も問題もないことが大半です。
実は「仮性包茎」という言葉は日本にしかなく、正確には「真性包茎」と「包茎ではない性器」の2種類しかありません。
日本以外の多くの国では、仮性包茎は自然な状態と認識されており、恥ずかしい・治療するべきといった社会的な意識もほとんどありません。
思春期以降の真性包茎については、清潔な状態を保つことが難しい
・痛みがあり性交渉が難しいなどの理由から治療が推奨される場合もあります。
赤ちゃんはみんな真性包茎
包茎と聞くと「うちの子も真性包茎かも?」「小さいうちに治療したほうがいい?」と不安になるママもいるかもしれません。
結論、手術や治療は必要ありません。
赤ちゃんはほぼ100%真性包茎の状態で生まれてきます。包茎が正常な姿なので、治さなければいけない病的なことではありません。
おちんちんは思春期を迎えるまでにだんだんと成長していき、亀頭部分の皮も徐々にむけてくることが一般的です。
無理に包皮をむく必要はありません
子どものおちんちんは、包皮が亀頭に癒着しているのがあたり前です。
無理に癒着を剥がしたり、治療をしたりする必要はありません。
いつむけるようになるのかは個人差が大きいですが、16歳頃までにむけるようになればまったく問題がないことがほとんどです。
大切なのは皮をむくことではなく、清潔にしておくことです。
入浴の際にきちんと洗えていれば、尿路感染症や亀頭包皮炎などのリスクは軽減させることができます。
95%は自然にむけるようになります
真性包茎の割合は年齢とともに減っていきます。

精通があり受精できるようになる頃には、真性包茎である割合は約5%になります。
乳幼児でも勃起する
赤ちゃんのお世話をしていて「おちんちんが大きくなってる!」とビックリするママは少なくありません。
勃起とは、陰茎の中にあるスポンジ状の組織「海綿体」に血液が大量に集まって固くなることを指します。

赤ちゃんや乳幼児の勃起は、生理現象やちょっとした刺激によって起こるものです。膀胱がいっぱいになったり、排尿をする直前によく見られます。
性的な意味はなく、正常な現象なので心配しなくて大丈夫です!
おちんちんの洗い方
洗い方の基本
おちんちんを洗うときは、無理のない範囲で皮をやさしく引き下ろし、泡立てた洗浄料でそっと洗いましょう。
※皮を下げるのは痛みが強くならない場所まで!

引用:性教育サイト命育
石鹸やボディソープは使わなくても大丈夫
おちんちんはデリケートな部分なので、洗浄料を泡立て、やさしく洗うことが大切です。
しかし、粘膜に洗浄料が付着した場合、子どもが痛がることもあります。その際は、シャワーやお湯をかけるだけでも十分に洗えます。
下ろした皮は必ず元に戻そう!
おちんちんの皮を下ろして洗った後は、必ず皮を元のところに戻すことを忘れないように伝えましょう。
皮をもとに戻さないと、嵌頓包茎(かんとんほうけい)になる危険があります。嵌頓包茎になると亀頭が腫れて、激しい痛みが伴います。
勃起して包皮口から露出した亀頭が元の状態に戻らず、狭い包皮口に締め付けられて陰茎がうっ血する状態の包茎を指します。主に、勃起時に無理やり包皮をむいて亀頭を露出させることが原因であり、強い痛みを引き起こします。また、締め付けられる時間が長くなると陰茎への血流が不足するため壊死などを引き起こす可能性も少なくありません。
引用:Medical Note
皮の間の白いカスはなに?
おちんちんの皮を引き下ろすと、白い垢のようなものが見えることがあります。
これは「恥垢(ちこう)」といって、皮膚の新陳代謝によって皮脂のカスや垢がたまったものです。
恥垢には皮膚のバリア機能を維持する役割もあり、成長とともに自然に取れるものなので、無理やり取り除く必要はありません。
入浴時に清潔なシャワーをかけて洗うだけで十分です。
おちんちんを触る時に大切なこと
清潔な手で触る
幼児期の子どもが、自分のおちんちんに興味をもち、触ったりいじったりすることはとても自然なことです。
その時に、「汚いよ!」「触っちゃダメ!」と強く叱ったり、過剰に反応したりする必要はありません。
性器は「触ってはいけない」のではなく、「洗っていない手で触れてはいけない」が正解です。
性器は決して不潔なものではなく、きれいな手であれば触っても問題ありません。
幼い頃から入浴時やおむつ替えの際に、「大切な場所だから、きれいな手で触るんだよ」と繰り返し伝えましょう。
おちんちんのトラブル
自分のおちんちんを触ることはよくあること、叱る必要も過剰に反応する必要もない。とお伝えしましたが、おちんちんをいつも以上に触る時には病気のサインであることもあります。
赤く腫れたり、皮膚炎や湿疹がないか気にかけてみて下さい。
乳幼児に一番多いおちんちんのトラブルは「亀頭包皮炎(きとうほうひえん)」です。
亀頭包皮炎とは、陰茎の先端部分である“亀頭”と、それ覆う“包皮”の両方に炎症が起こる病気を指します。一方、亀頭のみに炎症が起こる病気を亀頭炎、包皮のみに炎症が起こる病気を包皮炎といいます。
亀頭包皮炎は主に子どもに発症しますが、包茎の成人男性に生じることもあります。細菌が繁殖して炎症が起こると陰茎の先端や全体が赤く腫れて痛みを伴ったり、陰茎の先端から膿が出たりするようになります。
引用:Medical Note
おちんちんを痒がったり、おしっこをする時に痛がったりする時は、おちんちんの先が赤く腫れていないか確認してみてください。
1日様子をみても、赤みが消えずにひどくなっている様子があれば、受診しましょう。
まとめ
今回は、おちんちんの基本知識と洗い方について解説しました。
おちんちんについてわからないことだらけ…
ネットで調べてもいろいろな情報があって、どれが正しいのかわからない。
そんな風に不安を感じていたママも多いのではないでしょうか?
覚えておきたい大切なポイントは「清潔に保つこと」「きれいな手で触ること」の2つだけ。
もし、痛がったり、赤く腫れたりと気になる症状がある時は、医療機関を受診しましょう。
この記事が、ママやパパの不安の軽減にほんの少しでもお役に立てたら嬉しいです。